税理士は、慣習的に「先生」と呼ばれることが多いようです。
一般的に税理士は、大学や大学院を卒業し、会計事務所に勤めて税理士になります。学校の先生と同様に普通の会社でサラリーマンになった事がないので、先生と呼ばれることに違和感がないようです。
しかし私は、もともと企業に勤めていたサラリーマンから税理士になりましたので「先生」と呼ばれると何か、こそばゆく感じてしまいます。
私は10年ほど会社の経理課に勤務していました。経理課とはいえ社長からはいつも「売上や利益がでるものを考えろ!」と「アイデアを出せ!」と常に言われていました。ですから、私は単に数字を計算するだけでなく、まず会社が儲かる事、利益を考える習慣が身に染み付いています。
社長からは、いつもブツブツ言われていたのが経費です。ですから経費に関しても敏感です。経費には良い経費と悪い経費があります。
良い経費とは、明日に繋がる経費です。
悪い経費とは、明日に繋がらない経費、つまり浪費です。
私は会社の利益をアップさせ、無駄な経費を節減してきたサラリーマン時代の経験を活かして、皆様の経営に貢献させていただきたいと思っています。
私はもともと、税理士になることはまったく念頭になくて、大学卒業後はメーカーに就職しました。
大学で法律をかじったので法務部を希望したところ、残念ながら(?)経理部に配属されてしまったのですが、これが意外と性に合っていたようで、仕事はたいへんでしたが楽しんで取り組みました。
連結決算(注)を組むために、公認会計士の先生と連日深夜まで残業、徹夜をしたこともあり、風呂も入らずひげ面のまま、社長に数字を報告したのですが、今となってはよい思い出ですね。
この連結決算を担当した際、本社はもとより、関連会社の経理のお手伝いもしていたのですが、関連会社の方にことのほか感謝していただきました。
自分のやったことが、直接誰かの役に立つことに感動しまして、「経理のお手伝い」がそのまま職業になる「税理士」に興味を抱くようになりました。この感動が「きっかけ」ですね。
税理士になろうと思い立ってから、実際になるまでに約10年かかったのですが、この10年の間には多くの方にご指導いただき、また暖かい励ましをいただきました。
よいことばかりではなく、つらいこともたくさんありましたが、あの感動のおかげでがんばり通すことができたように思います。